舞台となるのは現代、日本にある何処かの都市。
その都市には古来より、退魔浪士組という組織があった。
日本、いや倭の国には、古来から妖が跋扈(ばっこ)していた。
妖たちは時に人に悪さすることもあったけれど、大した被害というものはなかった。
けれど、いつしか……ある存在が、妖たちを変えていった。
『澱み』――
人や動物、物。形ある者(物)全てから生まれ出る感情が作り出したものがそれだった。
澱みは妖たちを取り込むと、妖たちを豹変させた。
時には街道を行く何もない人が襲われたり、小さな集落が一つ丸ごと消されたり……。
そして、澱みの被害は大きくなり、いつしか妖だけでなく、動物や人、更に無機物まで取り込むようになっていた。
澱みに取り込まれた存在を『鬼』と呼ぶようになったのもこの頃のこと。
そして、その鬼を退治するべく立ち上がった組織こそ、退魔浪士組であった。
退魔浪士組には、我こそはと思う者が集まり、鬼と立ち向かい、被害がそれ以上大きくならないよう退治してきた。
それでも感情ある限り、澱みも鬼も生み出される。
退魔浪士組は何代も何代も世代を変え、鬼と立ち向かった。
けれど、近代に近付くにつれ、妖も鬼も忘れ去られていった。
妖や鬼による仕業であってもただの怪事件とされ、退魔浪士組もまた、狂った者たちの集まりだと言われるようになる。
その頃から退魔浪士組は人の目に留まらぬところで、妖や鬼の保護や駆除するため動くようになった。
もちろん今現在もこの日本の何処かで退魔浪士組に所属する浪士たちが動いている。
「このビルを発見できたということは、君も力ある者なのだろう? その力、我が組織のために使わないか?」
現代と変わりありません。
ただ、一般人の知らないところで妖怪や鬼がいたずらをして回っているのです。
舞台は日本のどこかの街とその片隅に存在する退魔浪士組の建物です。